特許翻訳って、儲かるの?

こんにちは。

今日は私の本業、特許翻訳者について書いていきます。

よく、翻訳系の雑誌やウェブサイトなどで「特許翻訳は儲かる!」なんて書いてありますが、本当なのでしょうか?

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特許翻訳って、儲かるの?

儲かりました、昔は。

たぶん、2005年辺りまでは「儲かる職業」だったのではないでしょうか?

では、今は?

どんどん「儲からない職業」「割に合わない職業」になってきているのが現状です。

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なんで儲からなくなってきているの?

答えは簡単です。

「特許翻訳をできる人が増えたから」

特許翻訳講座がいくつも開講されて、おまけに、書店には『特許明細書の訳し方』なんて本まで売られています。

ここに「特許翻訳は儲かる!」なんて煽りが加わったら、そりゃ、多少は英語ができる人たちが殺到するのは当たり前です。

でも、「翻訳者は不足している」って書いてあるけど?

翻訳系の雑誌やウェブサイトでは、「翻訳者は不足している」なんて書かれているのをよく見かけますよね。

確かに、「優秀な翻訳者が」不足しているようです。

この「優秀な」というのが問題なんですよね。

平凡以下の翻訳者は巷に溢れかえっているのです。

それこそ、使い捨てできるくらいに大勢います。

翻訳会社が欲しいのは「特許明細書に書かれた内容を正確に理解できる技術的知識と、特許明細書に書かれた文章を正確に翻訳できる語学力との両方を兼ね備えた翻訳者」なのです。

技術的バックグラウンドを持っていない上に、語学力も突出しているわけでもない、おまけに、特許翻訳の経験もないような人は、翻訳会社に登録されるのも難しいような状況です。

仮に登録されたとしても、継続して仕事をもらえるようになるのは厳しいでしょう。

特許以外の分野はどうなの?

そもそも、翻訳者という職業自体が、すでに「割に合わない職業」になってきています。

「割に合わない」どころか、翻訳する文書の内容によっては、「翻訳だけでは生活できない」というレベルにまで翻訳料金が落ち込んでいます。

現在、翻訳のみで生計を立てられるのは、特許翻訳と医薬翻訳の2ジャンル程度ではないでしょうか。

他のジャンルは薄利多売の状態です。

小遣い稼ぎ程度には良いでしょうけれど、これから本業にするのは全くお勧めできません。

特許翻訳の将来性について

担い手が増えたことに加えて、もう一つ、翻訳料金を下げる要因が登場してきました。

「機械翻訳システム」です。

機械翻訳システム自体はもう何年も前から存在していたのですが、最近になって、能力が向上してきました。

実際、私が登録している翻訳会社のうち1社から、機械翻訳システムを使用した翻訳作業の依頼が来るようになりました。

機械翻訳システムの性能はまだまだ実用に耐えられるようなものではありません。

でも、機械翻訳システムを使えば、確実に翻訳スピードがアップしています。

「スピードアップするなら良いじゃない?」

そう思われるかもしれませんが、残念ながら、機械翻訳システムを使用した案件では、翻訳料金が大幅にカットされます。

具体的には、約半分になります。

つまり、機械翻訳システムを使用した場合、使用しなかった場合に比べて、倍の量を裁かないといけないのです。

機械翻訳システムは、今はまだ、発展途上です。

今すぐ脅威になることはありません。

でも、もう5から10年以内には、実用レベルに達するでしょう。

そうなった場合、翻訳者の仕事は、機械翻訳システムが出力した翻訳文をチェックするだけになるでしょう。

そうなった場合、翻訳者に支払われる翻訳料金なんて、時給に換算したら、コンビニバイト以下となってもおかしくありません。

それでも、翻訳者になりたいですか?

以上、翻訳者の現状と将来の予測を書いてきました。

ここまで読んでもまだ「翻訳者になりたい」と思われる方、私からは「がんばってください」としか言えません。

おそらくまだ5から10年は、最低限の生活は送れる程度の収入は得られるでしょう。

私はあまりお勧めしませんけれど。

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